カジュアルなイタリアンでもマナーはあります
食事に関するマナーの厳しさということで言うと、最も気を使うのはフレンチでしょう。
和食懐石も同様に煩雑なマナーを要求されることが多く、初めて利用をするときにはなかなか気を使ってしまいます。
その点大衆料理として発展してきたのがイタリアンで、日本でも気軽に料理を楽しむことができます。
しかしいくらカジュアルなイタリアンレストランであっても、一定の食事のマナーは存在しています。
むしろフレンチや和食のようにはっきりとマナーが定められていない分、どこまでかしこまるべきであるか判断しづらいということもあります。
まずイタリアンレストランについてですが、実はその種類は一つだけではありません。
本場イタリアでは飲食店の看板にいくつか区別があり、どういった料理や客層をターゲットにしているかにより名称が異なってきます。
有名なのが「トラットリア」と「リストランテ」です。
「トラットリア」は家庭的なレストランとして庶民的な料理を提供しています。
一方の「リストランテ」はイタリアンの中でも高級な料理を提供するところで、場所によっては高級フレンチ同様の厳しいマナーが求められます。
他にもイタリア本国では「スパゲッテリア」というスパゲティの専門店や、カフェのような軽食メニューを出す「バール」といったところがあります。
日本においてはそうした区別は明確にされていませんが、特に高級イタリアンとされる場所を利用する時にはあらかじめマナーについて調べて行った方がよいかもしれません。
高級イタリア料理のコースの流れ
まず高級イタリアンにおける一般的なコースの流れを簡単に説明します。
順番としては「アンティパスト(前菜)」「プリモピアット(第一の皿)」「セコンドピアット(第二の皿)」「フォルマッジョ(チーズ)」「ドルチェ(デザート)」という順番で提供されます。
フレンチ料理ともだいたい同じですが、最初に軽いものから提供されて「セコンドピアット」でメイン料理となり、最後にデザートでしめられます。
テーブルに案内されるとナイフやフォークとともにナプキンが置かれていますので、まず席に付いたらすぐにそれを二つ折りにして膝の上に置きます。
ナプキンは料理を食べる途中で口元を拭うために用いられるものですので、食事中に手や口が汚れたら遠慮をせずにどんどん拭いていきましょう。
最も気をつけたいのがワインの飲み方です。
高級イタリアンにおいては同じテーブルの人同士がワインを注ぎ合うのは基本的にNGとなります。
グラスが空になったときには近くの店員さんを呼んで注いでもらうようにします。
また乾杯をするときにグラスを鳴らしあわせるのもマナー違反となってしまいます。